通常、公選法違反というと大きく分けて2つある。
ひとつは、お金が関わるもの。
組織や団体の票をとりまとめるために個人に現金を渡したり、投票を依頼する代わりに現金を渡したりするものだ。飲食物を奢ることも禁止されている。たとえば、選挙の運動員や有権者の飲食代を奢ることも違反となる。有権者に物を送ったり手渡したりすることも違反だ。
もうひとつは、お金が関わらないもの。
多いのは、文書掲示違反。
ポスターを貼ってはいけないところに貼ったり、認められていないチラシを配ったりするものだ。集会などで、パワーポイントを使って政策を紹介するのも違反となる。
インターネットに関しては、1998年に『新党さきがけ』が総務省(当時は自治省)に「ホームページの開設と公選法の関係について」問い合わせを行い、自治省行政局選挙部選挙課がそれに対して回答したことがすべてである。
以下のような解釈だ。
公職選挙法の「文書図画」とは、文字若しくはこれに代わるべき符号又は象形 を用いて物体の上に多少永続的に記載された意識の表示をいい、スライド、映画、 ネオンサイン等もすべて含まれます。したがって、パソコンのディスプレーに表 示された文字等は、公職選挙法の「文書図画」に当たります。(自治省行政局選挙部選挙課)
つまり、公選法にはインターネットに関わる記述は全く無く、すべてこの無理な「解釈」で進められている。
そこで、「公選法を改正してインターネットを選挙で使えるようにしよう」という声が以前から上がるのだが、自公政権下では不可能だった(詳しくは「電網参謀」をお読み下さい:宣伝(笑))
今回の選挙はどうだったか?
鷲沢氏はマニフェストを掲載した公式サイトとブログ。小林氏は何も無い。ちなみに、鷲沢氏のサイトにある「ご支援、ありがとうございました」の文言は、総務省の解釈どおりにいくと実は公選法178条違反となる。
ただ、私はこの公選法の解釈は全く意味がないと考えており、もし警察が違反を知ったとしても、誰かから告発がなければおそらく警告しない。その程度のものだ。
翻って高野陣営はどうか?
高野さんは公式サイトを持っていない。
そこで、政治団体『わくわく!ながの』のサイトがその代わりとなっている。
ここにも「たくさんの応援ありがとうございました」とあるが、これは、エントリータイトルの
「わくわく!ながの」を応援していただいたみなさまへ
にかかっているので、高野さんが挨拶をしているのではなく(写真はそう見えるけど)、公選法違反にはならない。
実は選挙期間中、左メニューにある「今後のイベント」が公選法に抵触しているのではないかという話があった。
実際に警察から警告を受けたかどうかはわからないが、担当者に聞いたところ、「私も知らないけど、連絡はあったみたい」とのことだった。
日付が変われば表示も更新されるので、見た感じでは更新しているように見える。
しかし、これは公選法違反にはならない。
実は、このイベントデータは告示日前に全部入力が終わっているものであり、表示だけが自動的に日付に合わされていたものなのだ。
システム的に見ると、時計やカウンタと同じ。
さらに、メニュー後方にある「ツイッター」のブログツールは、すでに入っているデータをランダムに表示させているだけであり、これも更新しているように見えるが何も手を付けていない。
「人間だろうが、システムだろうが、更新は更新だ」という理屈もあるだろうが、そうなるとサイト内の写真をランダムに表示するものや、アクセス数に応じて表示位置が変わるものなど、すべてダメだと言うことになる。現実問題として、そこまで厳密にやろうとすると、「そもそも、なんで告示日以降の更新が『文書図画の頒布』になるのか?」という原点まで戻ってしまうので、実際は不思議なことに誰も違反を犯せないことになるのだ。
つまり、最近よく見かけるブログツールのようなものを入れて、自動的にニュースが表示されたり、天気が表示されたりするものが、「文書図画の頒布」にあたるかどうかという判断は、おそらく誰にもできない。
なので、もし警察から「ホームページを更新している」と警告を受けた場合は、「更新していません」とちゃんと説明すればよいと私は考えていたが、電話を受けたスタッフが気を回して、イベント表示の機能を止めたようだ。
話は飛ぶが、Yahoo!が公選法改正に向けた署名活動を始めた。
「今年と同じ選挙でいいですか?」 ヤフー、ネット選挙活動の解禁求め署名活動(ITmedia)
今まで「公選法を改正しよう」と主張していた民主党が政権を取ったので、後回しにされないように尻を叩こうという企画で、これはこれで進めていくべきだと思う。
しかし、実は公選法を改正しなくても、インターネットを解禁できる方法がある。
これに関しては、また場を改めて。