8.26火 “らしくない”から面白いのか?『民主党10年史』
夜、虎ノ門にて『民主党10年史』出版記念パーティー。
私はカメラマンとして参加(?)。撮影した写真はこちら(後で若干調整するかも)。
パーティーは大盛況だっだ。
しかし、主催は民主党ではない。
この本、普通の「党史」とは全く異なる。
通常、社史のようなものは、総務か広報もしくは特別な部署を作って制作する。
当然、党史も事務局が制作するはずだが、この「党史」は民主党が作成したものではない。
著作・編集は第一書林社長の橘民義氏。岡山県議会議員を3期務めたこともあるらしい。
他の著者は4人で、そのうち現職の議員秘書は一人だけ。他の3人は議員秘書や政策スタッフを経て、現在は民間企業、シンクタンクや大学生というユニークな顔ぶれだ。
つまり、この「党史」は、民主党を良く知る著者達が自発的に制作したものなのだ。だから、民主党に問い合わせしても教えてくれない(笑)
構成は2部に分かれていて、第1部は民主党の歴史。そして第2部は民主党の仕組みを詳しく説明している。
通常の社史や党史であれば、歴史の記述は「業績」であって、都合の悪いことは書かないかサラっと流すものだが、この本の記述は偽メール事件はもちろん、逮捕された議員が出た事件や、党内のゴタゴタまで書かれている。
面白かったのは、菅直人氏に関する記述で、厚生大臣の時の活躍だけでなく、「イラ菅」や女性スキャンダルによる求心力低下などもちゃんと書かれていて、それをゲラの時点で読んだ菅氏が訂正を求めなかったことだ。パーティーに出席した菅氏は挨拶の中で「一応、ゲラの段階で一度目を通したんですけど、これがね、思ったより悪くないんですよ」と語っていた。
まさに第三者的な目で書かれた第1部は、読み物として非常に面白い。まるで政治小説を読んでいるようにグイグイ読み進んでしまった。マンガ化しても良いかも。
第2部は基本的には資料だが、過去の選挙の解説は「ああ、そうだったなぁ」と当時の自分を思い出しながら読んだ。また、多少民主党との接点がありながら党組織が良くわかっていなかった私にとって、組織の解説は参考になった。
そして、この本のポイントは、橘氏による序章と終章にありそうだ。
出版にかける氏の思いが凝縮されている。
民主党が立ち上がるきっかけ、そしてこれから来る(であろう)大変革。その前にこの10年を振り返るのは、必要なことなのかもしれない。
スポーツや戦争で、戦いの前に今までの練習や訓練を思い起こしながら、士気を鼓舞するようなものかも。
今までも第三者が書いた民主党関連の書籍はいくつかあった。しかし、それは「批判のための批判」や「揶揄」ということばがピッタリ来るようなものがほとんどだったように思う。
別にヨイショする必要はない。
「民主党はこんなに素晴らしい」などという記述は誰も読みたくないだろうし、内向きの文章ほどつまらないものはない。
しかし、「民主党はこれからも頼りないのか?」「政権を取ったらどうなるのか?」「民主党の政策は信じられるのか?」・・・といったことは知りたいし伝えるべきだ。
頼りなかったボンボンが、変わらずにヘナヘナしているのか、来たる日にそなえてトレーニングや修行に励んでいるのか。
そのヒントになるであろうことを、膨大な資料をもとに党本部や議員に気兼ねすることなく、少し離れたところから、多少の期待と希望を持って書かれている。このような本は初めてではないだろうか。
民主党に期待を持っている人だけではなく、むしろ期待を持てない人や、政治そのものに希望を感じられない人にこそお勧めしたい。
その結果、さらに期待が持てなくなるかもしれないし(苦笑)、「1回ぐらいやらせてみようか」と思うかもしれない。
もうすぐ始まる天下分け目の戦いで、その思いを示せば良いのだ。
